ピストンについて
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1)ピストンってこんな厳しい環境で使われているんです
→a)自動車により異なりますが、ピストンは1800℃〜2600℃に達する燃焼ガスにさらされています。ピストン材料として一般的に用いられているアルミは高温での強度が低くなる為、この熱を排出する必要があります。
→b)燃焼圧はガソリンエンジンで6.5MPa程度まで上がります。大きな力を受けつつ軽く作らないといけない為、ピストンの応力は高くなり大変厳しい。
2)ピストン材料
→ピストンに使われる材料は一般的にアルミですが、ただのアルミではなくシリコンやニッケルが入った合金となっております。しかし、4サイクルガソリンエンジンではだいたい同じ組成の合金を用いています。つまり、軽四だろうが高級車だろうがピストン材料は同一なのです。
但し、表面にアルマイト処理をしたりスカート部に施す処理が異なります。
また、、ディーゼルエンジンでは高い燃焼圧に耐える為に、鉄製のピストンや船舶では熱の排出性を良くする為に、組み立て式のピストンを使っていたりします。
3)ピストンの冷却方法
→燃焼で受けた熱はどこから排出されるかというと、その大半はピストンリングを介して、ライナーやエンジンオイルに熱の受け渡しが行われその割合は65%ほどです。その他、スカート部からも熱は逃げますが、割合は20%ほどです。普通のエンジンではこれで十分なのですが、さらに熱的に厳しいターボエンジンなどではピストンリング周辺のオイルが炭化してしまい、ピストンリングが正常に作動しなくなる事がある為、オイルジェットというピストン底に直接オイルを吹き付ける機構を設けておき、そのオイルからも熱を逃がしている。
4)ピストンクリアランス
→ピストンは往復運動をしていますが、ピストンクリアランの分だけ横方向にも運動してる。特に上死点附近ではこのクリアランスが大きいとピストンとライナーが当たる音が聞こえてきて、これを「フラップ音」という。冷寒時のエンジン始動の際に問題になり、大抵エンジンが温まってくると消えるが、冷寒時から音を出させない為にはピストンクリアランスを小さくする必要があるが,このクリアランスは10ミクロン単位で管理する必要がある。
5)摩擦損失
→ピストンの摩擦損失は摩擦損失全体の7%程度と大きい為、ピストンのスカート部を摩擦係数の小さな二酸化モリブデンやグラファイトでコーティングをする事が多くなっている。
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