クランク振動


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クランクシャフトはピストンの往復運動を回転運動に転換する役割をします。1気筒だけをみた場合はクランクシャフトの形状はほぼ似たようなものですが、エンジンのシリンダ数やシリンダ配置でエンジンの起振力とバランスが異なり、車両の乗り心地等に影響を与えます。
このエンジンの起振力は計算式にて求める事が出来ますが、長々と説明をしても分かり難いだけなので、ここでは結果だけを載せようと思います(私が100%理解できなかったっていうのも大きいですが(笑))



説明の前に:
1.車に用いられている4ストロークエンジンでは、クランクシャフト2回転につき1回爆発をしていますので、角度で表すとクランクシャフトが720°回転する間に1回爆発をしております。以下の説明で着火間隔がでてきますが、着火間隔を全て足すと720°になります。
2.V型エンジンのバンク角とクランクピンオフセット、着火間隔は1例です。これらの値が全てのエンジンにあてはまる訳ではありません。
3.バランスが優れるエンジンでも、ピストン・コンロッドの重量がシリンダ間で異なると、振動は発生します。


直列4気筒エンジン
バンク角:−
クランクピンオフセット:−
着火間隔:180°
慣性力:2次が発生
偶力:0
→2次の慣性力が残ってしまう為に、クランクシャフトの2倍の回転数のバランサシャフトを2本取り付けて、振動の低減を図ったエンジンが最近は増えている。


直列6気筒エンジン
バンク角:−
クランクピンオフセット:−
着火間隔:120°
慣性力:0
偶力:0
→慣性力、偶力共に全く残らない。トルク変動は回転3次が最も大きいが、4気筒と比べて周波数が高いためにあまり問題とはならず、振動としては非常にバランスが良い。


V型6気筒エンジン
バンク角:60°
クランクピンオフセット:60
着火間隔:120°
慣性力:0
偶力:発生
→直列6気筒エンジンに比べて偶力が残ってしまう為に、振動面では不利である。


V型8気筒エンジン
バンク角:90°
クランクピンオフセット:0
着火間隔:90°
慣性力:0
偶力:発生
→偶力で1次の正回転が残ってしまうが、クランクシャフトに取り付けるカウンタウウェイトによりバランス可能であり、その他は完全バランスである。


V型10気筒エンジン
バンク角:90°
クランクピンオフセット:0
着火間隔:90°→54°→90°→・・・
慣性力:0
偶力:発生
→着火間隔が不等間隔だが気筒数が多い為、低次数による振動はあまり問題にならない。トルク変動も発生するが、これも気筒数が多い為、あまり問題とならない。


V型12気筒エンジン
バンク角:90°
クランクピンオフセット:0
着火間隔:90°→30°→90°→・・・
慣性力:0
偶力:0
→直6エンジンを左右バンクに配置されたようなものである為、非常にバランスの良いエンジンである。トルク変動は直6同様に回転3次が最も大きいが、周波数が高いため、振動面では非常に有利である。


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