当りエンジンとはずれエンジンについて


燃費向上大作戦>>当りエンジンとはずれエンジンについて

車は工業製品である以上、全く同じものは存在しません。
何故なら、工業製品は公差を持って生まれてくるからです。
ピストンクリアランス(以下、C/L)を例として挙げますと、C/Lはピストン径と、ブロックボア径(以下、ボア径)の関係により決まってきますが、ピストン径が一定だと仮定するとボア径が大きい場合はC/Lは大きく、ボア径が小さい場合にはC/Lは小さくなります。
また、逆のパターンもあり、ボア径が一定だと仮定するとピストン径が大きい場合はC/Lは小さく、ピストン径が小さい場合はC/Lは大きくなります。
これらの公差が重なる事でC/Lが大きくなったり、小さくなったりと個体により変わり、燃費に有利な個体やピストン打音に有利な車が生まれてくるのです。
もちろん、これらの部品が公差内のモノが組まれているという条件のもとでは設計者の想定の範囲内ですので、C/Lが最大になろうと最小になろうと事前に確認済みなので問題は無く、微妙な差が生まれるというだけです。

ちなみに、公差は刃物の磨耗や工作機械の誤差によって当然出てくる事なのですが、コストをかければ限りなく小さくする事も出来ます。(方法としては頻繁に刃物を変えたり、厳しく公差を管理し規定値以外のモノは捨ててしまう等)
しかし、これらの方法はユーザーにとってコストアップというデメリットも生じてしまう為、普通は問題とならない範囲で公差は緩くとるように設定します。
とはいっても、通常は公差中央付近で作られるので上記のような公差最大や最小のものはめったに出てくる事は無く、たまたま購入された方は、それが当りエンジンだろうがはずれエンジンだろうがよっぽど運が良かったのだと思います。(笑)

燃費向上大作戦のトップページへ戻る